構想から10年、1年かけて準備してきた公演が無事幕を閉じました。
以下プログラムに掲載した挨拶文です。
マーラーの「角笛」を絵本仕立てで、という構想はシリーズ開始当初から持っていたものでしたが、一体どこから手をつけたら良いのか、また予算の問題もあり、手が出せずに10年が経ってしまいました。ところがこのコロナ禍の補助金が私の背中を押してくれました。資金面での心配はなくなったため、あとは誰とやるか、どうやるか、という事だけでした。
まずは歌手のお二人、花房さんは大学院を『角笛の詩による歌曲』で修了され、小林さんは日本音楽コンクールで角笛歌曲を歌って1位を獲りました。お二人ともこれからの日本オペラ界を支えていく逸材です。
映像担当の荒井さんとはイタリア旅行中にパルマで知り合い、その時のちょっとしたご縁が今でも続いていますが、今やどこのプロダクションも彼の映像技術を必要として引っ張りだこです。
絵本作家の松村さんとは今回はじめまして、実はインターネットで検索して、たくさんの絵本の中から松村さんの絵を見つけました。可愛らしさと奥行き、特に青い色が素敵だなと思っています。絵が下手っぴな私が、アプリを使って絵コンテを作り、そこからイメージを膨らませて絵を起こしてもらいました。その絵の配置や展開の仕方など、演出的なアドヴァイスを塙さんにお願いしました。
たくさんの力添えをいただき今日を迎えられたことに心から感謝申しあげます。
さて、「角笛」を演奏する際に問題になるのが曲順です。それぞれ独立した曲として作曲されているため、演奏順は演奏者に任されています。本日は24曲の「角笛歌曲」から16曲を選んで、「昔あるところの物語」として展開するように並べました。多少強引なところもありますが、一つの物語としての流れも楽しんでいただけたら幸いです。
当日にホールに入らないと絵がどのように映るかわからなかったので、ホールで最初にこの画像を見た時は、感動で涙が溢れそうでした。
こんなにも美しく映るなんて、感動しました!
もう後は私たちの演奏次第だったので、とにかく集中して一生懸命弾いてきました。
予想を遥かに超える反響をいただき、2日経った今もまだ興奮冷めやまぬ状態です。
「今までにないコンサートでした」という称賛をたくさんいただきましたが、これこそ私が目指したところだったので、本当に嬉しかったです。
再演の声も多かったので、ぜひ実現できるよう頑張ってまいりたいと思います!
松村さんの絵が本当に素敵でした。
心から感謝申し上げます。
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